それもありだけど…

今日のニュースに出てました。
中央教育審議会が文部科学省に対して出した答申。

今回の答申内容は簡単にまとめると以下のようなもの、。

・いじめや不登校など複雑化する学校の課題に対応するために、現在のように大学の4年間で基礎的な知識や技能を学んだ上に大学院での修士課程まで履修し、その間、実際に学校の現場で長期間の実習を行う。



・それに伴い、教員免許の制度を設け、教職に関する基礎的な知識や技能を保証する「基礎免許状」と、より実践的な力量を保証する「一般免許状」などに分けて区別する。

こういった意見の背景として、次のようなことが言われていました。

「教員が実践的な力を養う上で、現場にある程度長い期間いることが重要だが、採用されてからオン・ザ・ジョブトレーニングでやるには限界がある。大学が責任を持ってやる教員養成教育の中に、実践的な要素を
多く取り込むことが必要だ。大学での教員養成に対する考え方を、大学の人たちも少しずつ変えていく必要があると思う」
(東京学芸大学 岩田康之教授)

その通りだと思うし、そうするために大学院修士課程における履修をベースとして教員免許制度という考え方もありだと思う。

でも、その制度をこれからのんびりと制度化する前にもっともっとするべきこと、できることがたくさんあるような気がする。

例えば、現状でも教員採用試験合格後の1年目の教員に対して実施している初任者研修なども本当にそのタイミングで必要なのか?って思う。

現場をよく知らないときに理論や現場の問題点を講習して、それがどこまで伝わるのか?
前述の答申でもあるように、数年単位のある程度の長い期間で現場にいることが重要であり、その中で自分自身がいろんなことを体験し、感じた上で改めて研修で勉強することで学べることも多いと思うし、自分が現場で直面してくれば問題に対する意識レベルが格段に変わってくると思う。

じゃあ、その間はいろんな意味でまだ未熟な教員をそのまま現場に立たせるのか?ということになるが、修士課程制度に変更したところで現場での長めの実習をしているときの所属先が、大学院か現場にいるかということだけでそこに大差はないと思う。

だからこそ、本当に改革を行なうならば、大学院修士制度を盛り込んで教員になるための学ぶ期間を6年間とし、その後、研修制度を盛り込んで、更に現場での実績を積むことが必要なのではないか?

同じ土俵に上げることがどうなのかとも思うが、実際、医者の世界は6年間の大学+国家試験合格後も2年間の研修医の期間を経てやっと一人前(半人前!?)の医者となるのと同様に、教員にもそれぐらいの時間が必要だと思う。

最初から『先生』という立場に立ってしまうとわからないことや聞きたいことも聞きにくくなるだろうし、なにより勘違いしてしまう人間がたくさんできてしまう気がするから…。

見習い(研修)先生上等!!

堂々と初心者マークを貼って現場に立ち、子どもたちと一緒に学び、わからないことがあればその場で素直に聞いて自分の力に変えていく。
教員の世界にも、新しい先生を育てるためにそんな環境があって、ゆっくりと見守りながら成長させてあげてもいいのではないか?

人手不足の現場ではそんな悠長なことは言ってられないのかもしれないが…。

教育は国の根幹を成す重要なものであり、子どもたちをきちんと育てることは大人たちに課せられた大きな使命だと思う。
そこをおざなりにして、今の日本という国に発展も明るい未来もない。

そのためには、きちんとした教育者の育成は最重要課題。
だからこそ、この答申をベースに新しい制度改革と現状の問題点の洗い出し及び改革をしっかり行なってもらいたい。

問題山積の教育現場。

それはそのまま、今のたくさんの問題を抱えている日本の縮図のような気がしてならない…。

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