「積み荷を降ろして軽々と行こう」
積み荷を降ろして軽くなった船が、清風にのって軽やかに航海する、という言葉です。
両手にいっぱい、肩から下げた荷物も背中に背負った荷物も、全部おろした気持ちよさ。飛ぶように歩けるその時の気持ちは、誰でも経験したことがあるでしょう。この禅語はそのことを教えてくれています。そう、降ろすのは心の荷物。
心の中の迷いやこだわり、嫉妬心や心配や執着心も、ぜ~んぶ港に降ろしてしまったらどんない気持ちがいいものかと。
もう、余計なものは積まないようにしよう。いつの間に心にあんなに荷物をしょいこんでしまったんだろう。こんど荷物に出会ったら、目をつむらずに向き合って断ろう。二つに一つの選択をせまられたら、二つとも捨ててしまおう。この船以外に生きていくのに必要なものなどないはずだ。そう、船が健やかなら人生は自然の清風が運んでくれるはず。
『下載清風』=「かさいのせいふう」と読むのだそうです。
ふぅ…。
日々の仕事が充実していることに感謝しつつ、それと同じぐらいの大きさで感じるもどかしさ。
自分のやりたいことをやっているのに、やりたいと思うことができてない気がする…。
ちゃんと前に進んでいると感じているのに、ずっと同じ場所で足踏みをしている気がする…。
結局、欲張ってたくさんのものを手に入れようとするから、本当に欲しいもの、本当に大切なものが分からなくなってしまっているんだってことはよくわかっている。
自分自身の弱さ。それは自分の心の荷物を降ろす勇気がないこと。
心を軽くして、背中いっぱいに風を受けて進めるようになりたいなぁ…。