発達障がいを抱える子どもさんに対して保護者として何がしてあげられるのか…?
その一つの選択肢を示してくれている事例の情報をいただきました。ネットニュースの記事ですが、非常に興味深く、いろいろ悩まれている保護者の方にとってなんらかのヒントになれば…と思い、こちらでもご紹介させていただきます。
青森県三沢市に昨年12月にオープンした『がんばるめん』という手作りラーメンのお店。
ニュース記事は以下にそのまま抜粋してご紹介させていただきます。
青森県三沢市の青い森鉄道・三沢駅から5分ほど歩くと、「がんばるめん」というラーメン屋がある。齋藤聖子さん(53)が昨年12月、発達障がいを持つ息 子(16)と共に開業した。ラーメンから内装まで全て手作りにこだわった温かみのある店舗だ。(フリーライター・今一生)
聖子さんの息子は、小学校高学年から不登校になり、高校受験の頃には鬱発症の診断まで出た。聖子さんは、高校進学を控える息子に、「高校に行く代わりにラーメン屋をやってみたらどうだろうね」と提案した。すると息子は、少しだけほっとしたような表情をしたという。
もともと彼はお菓子作りが趣味で、ケーキなどを作っていた。そこで、息子の居場所と社会体験の場として、貯金をはたいてラーメン店を立ち上げることにした。息子の高校進学は、本人の希望通り見送った。
齋藤さんには、ラーメン店で修業をした経験はない。それでも、「私の子どもに食べさせたいラーメンをお客様にも賞味していただきたい」と、食材はなるべく近くで生産されたものだけを使うことにした。
麺作りで使う小麦粉は、岩手県盛岡周辺で栽培されている「南部地粉」。練り混ぜるカンスイは、青森県の陸奥湾ホタテ貝の貝殻を焼成したカルシウム粉末を使 用。スープは八戸産煮干しで作り、チャーシューの代わりに三沢市で販売されているパイカ肉(胸の軟骨部分の肉)を採用した。
青森県産のゴボウを使ったノンカフェインのコーヒーも提供し、「お通じが良くなった」と評判だ。
店舗は、古い住宅を改装。電気、水道工事と内装下地材までを業者に頼み、残りの内装は息子と一緒に作り始めた。資金が足りなかったこともあるが、「息子にモノづくりの適性があれば、どこかで心の琴線に触れるかも」という思いもあった。
夏から作業を始めたが、木工の経験も知識もなかったため、ネットで一から調べ、ゆっくりと進めていった。シックハウスの元になる素材は可能な限り排除し、 取り外した木材などを再利用。床の塗装には柿渋と荏油を使用するなど、「できる限り人の手で作った物だけで作り上げたい」との思いが込められている。
来店したブロガーからはこんな意見も寄せられた。
「シンプルな醤油ベースで、すっきりとした味。こ、こりゃ美味い。どことなく津軽ラーメンを思わせる味。背脂ギトギトのラーメンと違って、オジさんの体には優しい」
聖子さんは、「今後は、私たちと同じように悩んでいる親子たちにこの店を開放し、NPOを立ち上げて就労支援の機会を増やしていきたい」と意気込む。
我々のような支援者ができることには必ず限界があります。このお母さんのがんばりは、保護者として子どもさんにしてあげられる究極の教育の形であり、愛情の形のような気がします。
決して楽なことではないけど、こんな形で作ってもらった自分の居場所は子どもたちにとって、きっと一生モノの大切な場所であり、未来への道しるべになることでしょう。
是非一度行って食べてみたいところですが、さすがに青森は遠すぎて…。(苦笑)