規則やルールは守るべきものだということは知っている。
でも、本当に守るべきものは何なのだろう…?
そんなことを考えさせられる1つの記事を読んだ。
この写真を見て、「あのW杯の時の日本代表のロッカールームの写真だね。」とすぐに気付く人はたくさんいるだろう。それだけ、話題になり、日本代表の、そして日本人の誇りを尊厳ともいうべき大事なものを世界に発信してくれた1枚の写真だ。
だが、この1枚の写真の裏に、もう一つの考えさせられるべきドラマがあったことを知った。
この写真をツイッターに投稿したのはオランダ人のプリシラ・ヤンセンスさんという国際サッカー連盟(FIFA)の大会運営スタッフの一人だったそうだ。
その彼女は、W杯の終わりを待たずして、大会期間中に開催地であるロシアを去っていたのだ。
理由は守秘義務違反。
大会関係者が大会の運営の中で知り得た情報を公の場に後悔することは問題であり、そこには守秘義務という規則やルール、もっと言えばモラルともいうべきものが存在し、それを遵守することは必要なことだろう。実際、大会関係者は大会前に守秘義務に関する書類にサインもしているという。これもあたり前のことである。
だからと言って、彼女の行為自体が悪いことだと言い切れるのだろうか?
たしかに規則やルールを破ったという点においては、弁護のしようもなく、罰せられるべき行為であることは間違いない。実際、彼女自身もそのことはわかった上で、それでも投稿という行動に出たのであろう。
では、彼女が本当に守りたかったものは何なのだろう?
あくまでこれは、個人的な推測ではあるが、きっと彼女はこの真実を世界の人に知ってもらいたいという彼女自身の気持ちを一番守りたかったのではないだろうか?この事実を知った時、これを伝えないまま埋もれさせてしまったら、彼女自身が自分を許せない気持ちになると考えたのだろうと思う。
規則やルールを守ることはたしかに大切なことであり、あたり前のことだ。
でも、仮にそれを違えたとしても譲れない自分自身の気持ちがあったとしたら…。
それこそが、本当に守るべきものであり、自分が自分であるために必要なことなのではないかと思う。
今こうして言っていることが、一般的には間違っていることであり、先生という子どもたちに正しいこと、大切なことを教える立場にいる人間の発言としては正しくないことだということもわかっている。
勘違いして欲しくないのは、自分自身の気持ちを最優先して、ルールや規則は守らなくていいなんてことを言っているのではない。
そこに、ルールや規則をも越える自分自身の正義があるのであれば、それこそが本当に守るべきものに値する大切なものではないのか?と思うだけなのだ。