せっかく“ON”になっている『やる気スイッチ』を“OFF”にしないために…

「先生、大学受験に向けて、〇〇(期日)までに〇〇(内容)の勉強を終わらせたいんだけど、できるでしょうか?」

授業中の高校1年生のIくんからの突然の質問。開いている教科書のページも、現在学校で勉強している内容よりも先の単元。なかなか勉強に気持ちが向かず(本人的にはやっているつもりだったようですが…苦笑)に、あの手この手で『やる気スイッチ』を押していたのですが、ここにきて突然『やる気スイッチ』が入り、がんばり始めました。

それ自体はとても喜ばしいことなのですが、その方向性というか目標のレベルを一気に上げすぎて、完全に空回り状態…。

イメージ的に言うと、軟式ボールで野球を始めたばかりの子が、キャッチボールとトスバッティングぐらいできるようになったとたん、「オレ、2年後にメジャーリーガーになる!!」と宣言して、硬式ボールと木製バットを持って練習を開始した感じ。

高校野球も日本のプロ野球も飛び越えて、一気にメジャーリーグ。まだまだ基礎すらできあがっていないのに、一気にトッププロレベルの練習開始。どう考えても無理なチャレンジは、本人がレベルアップする前にケガをしてしまったり、大変な現実に直面して挫折してしまったりとせっかくのがんばりが結果に結び付きにくい。

目標や夢を持つことはすごく大事なことで、もちろん、応援してあげることが我々の仕事。だからこそ、能力に合わせてその時々で本当に必要な力を着実に身に付けながら、一つずつ上に進むことをきちんと教え、導いてあげる必要がある。

その子に本当に合ったアドバイスを…

今回、少しやる気になったIくんが、ぼんやり見えてきた将来の夢に向かっての勉強の進め方を学校の先生に相談したところ、教えてくれた内容と進め方らしい。それを素直に受け止めたIくんが突然始めた取り組み。お母さんとも話をしたのですが、お母さんご自身もがんばり始めたこと自体はとても喜ばれているけど、完全に空回りしていることを感じられているので、今度の懇談で学校の先生ともお話をしてきてくださるということになりました。

学校の先生なりに応援し、『やる気スイッチ』を押してくださっていることは重々承知していますし、感謝すべきことですが、もう少し現実的なレベルでのアドバイスをお願いしたいところ。力を伸ばしていくことはもちろんのことですが、せっかく少しやる気になっている気持ちを萎ませてしまいたくないように、ある程度、できたという実感と達成感をしっかり感じながら、やる気を長く継続させて夢に向かって進ませてあげたいので…。

が、

になっちゃわないように…。

本人ががんばることはもちろんですが、先生たちもがんばらないとね☆

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