アンガーマネジメント(Anger management)とは…。
怒りを予防し制御するための心理療法プログラムであり、怒りを上手く分散させることができると評価されている。怒りはしばしばフラストレーションの結果であり、また自分にとって大事なものを遮断されたり妨害された時の感情でもある。怒りはまた、根底にある恐れや脆弱感に対する防衛機制でもある。アンガーマネジメント・プログラムでは、怒りは定義可能な理由によって生じる、論理的に分析可能な強い感情であり、適切な場合には前向きにとらえてよいものだと考えられている。(Wikipediaより)
このアンガーマネージメントの考え方に沿った叱り方に関する教科書。
発達障がいの子どもたちを中心に自己肯定感を高めるために“褒める”ことを対応の軸に置き、褒めて伸ばす方法がよくよく挙げられますが、一人ひとり性格や考え方が異なる子どもたちすべてにこの方法が最適であるとは言い切れず、子どもによったり、状況によっては“叱る”ことも必要であると考えます。
ただ、一口に“叱る”と言っても、決して一律ではなく、いろいろな叱り方があることは皆さんもご存じの通り。だったら、正しい叱り方をこの本から少し学んでみたいと思います。
本の最初にすごく大事な問いかけがなされていました。
この人からなら叱られても仕方がないなと思える人と、この人からは叱られたくないという人が、あなたにもいるのではないでしょうか。
これこそが、今回のテーマの一番大切なポイントだと考えます。
自分に置き換えて考えてみると、よくわかります。たしかに、「この人なら叱られても仕方ない。」と思えるというより、「この人なら叱られることを通してでもいろんなことを教えてもらいたい。」と思える人がいるし、「この人からは叱られたくない。」という人、もっと言えば、「この人から叱られると腹が立つ。」と感じる人がいます。
すなわち、“叱る”という行為そのものの問題ではなく、そこにある関係性が非常に大切なのだということです。そして、その上で、さらにNGとなることなく、OKとなる叱り方ができれば、それは相手にとって決してマイナスではなく、きちんとプラスとなる関わりになるということです。
NGな叱り方。OKな叱り方
この本の中に書かれているNGな叱り方は以下のようなもの。
1.機嫌で叱る
2.人格を否定する
3.人前で叱る
4.感情をぶつける
細かい内容はこの本を手に取って読んでみていただきたいですが、こうして、大切な項目だけを挙げてみてもどういったことがNGになるかわかりますよね?
ということは、もちろん、OKな叱り方は上記もNGな叱り方とは逆の𠮟り方だったり、相手にとってマイナスとなる要素を含まず、納得できるような叱り方だったりということ。
自分自身を振り返ってみて、「わかってはいるつもりだけど、なかなかできていない気が…。(^^;」と反省の必要性を感じています。
この本は、社会人向けで、仕事上における上司と部下の関係性を中心に書かれていますが、保護者と子どもの親子関係や、先生と生徒の関係でも少し内容を置き換えて考えれば十分に活かせられる内容です。
“叱る”ということは、決してマイナスなことばかりではなく、“叱る”という行為自体も大切なコミュニケーションの一つ。だからこそ、きちんとコミュニケーションツールの一つとしてしっかり確立できれば、必ず、いろいろな場面で役に立つはず。
大人もしっかり『教科書』を読んで勉強しましょう☆