夕方、教室に１本の電話が入った。
「私〇〇と言います。お宅の生徒さんで〇〇〇〇さんっていらっしゃいますよね？月謝袋が道路に落ちていたのを拾ったのですが、そちらの場所はどちらになりますか？」
とのこと。
所在地の説明をすると、「じゃあ、これから持って行きますね。」とおっしゃられるので、拾っていただいてご連絡をいただいただけでもありがたいのにわざわざ持って来ていただくわけにもいかないので、「こちらが取りに伺います。」と伝えたら、「ちょうどそちら方面のスーパーに買い物に行くついでなのでいいですよ。」と言って電話を切られた。
数分後、その方が教室に月謝袋を届けてくださった。
こちらがお礼を言うと、何もおっしゃられず、ただニコッと笑ってすぐに去って行かれた。
落ちていた場所やタイミングを考えると、昨日授業に来た生徒の帰り際に渡した月謝袋が、帰り道中のちょっとした拍子にカバンから落ちていたのだと思われる。
もしかしたら、本人がきちんとカバンに入れず、ポケットあたりに突っ込んでいたのが落ちてしまったのかもしれない。
逆にお金を持ってくる時に落とし、それを心ない人に拾われでもしていたら、中身だけ抜かれて袋はグチャグチャにして捨てられていたに違いない。
もちろん、お金が入った状態であっても、幸いにも今日届けてくださった方のような人に拾っていただけたとしたら、無くなることなく届けていただけただろう。
通り掛かった道端に落ちていた１枚の封筒。
普通なら見過ごしてしまう程度のようなものだし、見てもそのままにされる人の方が多いだろう。
それを拾い、「この生徒さんは困っていることだろう。」と思って表書きの連絡先に電話をし、届けてくださる。
本当にありがたいことであり、感謝の気持ちでいっぱいだ。
すぐに去ってしまわれたので、連絡先等もお伺いすることができなかったため落とした本人から直接お礼を伝えさせることはできないが、今日のことを伝え、ちゃんと感謝すること、そして以後気を付けることを教訓として教えてあげたいと思う。
春の到来とともに暖かくなってきた日に、とっても心があたたまるちょっとした出来事でした♪♪
