昨日の小学校1年生から3年生の時期に必要な勉強法に引き続き、今日はもう少し下の年齢、すなわち就学前の保育園や幼稚園の年代の子どもたちに対して必要とされている育てたい力について少し考えてみたいと思います。
『非認知的能力』という言葉をご存知ですか?
昨今の教育議論の中ではよく耳にする言葉で、次期学習指導要領等にも大きく関わってくるものであり、『生きる力』という言葉と同義的なものだと言えば、わかりやすいかと思います。
この『生きる力』はSelfishでも指導や支援の中で非常に重要視しているものであり、子どもたちの成長、そして将来的に社会で必要とされる一番大切な力だと考えています。
東京大学大学院教育学研究科の遠藤教授の書かれている特集記事の中で『非認知的能力』の考え方に関して、次のような内容が書かれていました。
『非認知的能力』に対して多大なる社会的関心が払われるようになった火付け役の一つが2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンによる教育経済学的研究であることは疑う余地のないところであると考えられます。(中略)彼の研究の多くは、子育てや保育なども含めた教育への投資効果、すなわち人の生涯のどの時期に、教育にお金をかければ、最も効果的なのかということを問うものです。結論から言えば、就学前、すわなち、乳幼児期における教育への投資効果が絶大ということなのです。
この研究は投資効果という観点におけるものですが、併せて考えるべき大事なことが、その投資、すなわち教育にかけるポイントは何なのかという点に置き換えて考えた時に出てくる一つの答えが『非認知的能力』だということです。
もう少し具体的に掘り下げ、次期学習指導要領の内容と照らし合わせて考えてみると、指導要領の中で「資質・能力の三つの柱」として挙げられている①知識・技能、②思考力・判断力・表現力等、③学びに向かう力・人間性等…の育成を目指すという中の③が今回の話における『非認知的能力』にあたり、そこを目指すとされているわけです。
しっかり育てておくべきは『心』
昨日のブログでも書いたように、小学校1年生から3年生ぐらいの時期に育てておくべき力は、具体的な学習の力ではなく、その後の成長の中で学習に向き合える力を育てておくことが重要です。そして、そのさらに前段階である幼児期の子どもたちには『非認知的能力』を育てることで、学習に限らず、子どもたちの人間性をしっかり育てておくことがその後の成長に大きな影響を与えるということです。
結論として、小難しいことを抜きに簡単に言えば、子どもたちの小さい時期に目先の結果を追いかけるのではなく、その土台となる『心』をしっかりと育てておいてあげることがその後の成長の中において自らの力で大きな結果に結び付けていける力が養われるってことです。
こういった内容は、結果や課程が目に見えたり、数値化されて判断基準が明確化されたりするわけではないので、それを育てる側の保護者としても難しいことだと思いますが、実際目の前にいる子どもたちの『心』が育っていることが肌で感じられれば、それを信じて進んでいけばいいのではないかと思っています。
子どもたち一人ひとりが持っている大きな力を信じて、その時期に養っておくべき大切な力を身に付けられるように子どもたちを育てていきましょう☆