読書はしっかりして欲しい。ただし、きちんと身に付けることを前提に…

これまでも何度か話題にしたことありますが、子どもたちの勉強の指導をしていて危機感レベルで大変だと感じているのが“国語力”の低さ。教科的に言うので“国語力”という言葉になりますが、改めて考えると、それはそのまま“日本語力”の低さということになる。

“国語力”低いとどうなるか?

これまた何度も話したことありますが、教科としての国語の成績だけの話にとどまらず、全教科の成績に大きな影響を与えます。理由は至極簡単。どの教科の問題も、基本的にはすべて日本語で書いてあるから。

例えば、昨日、中学生の子と英語の勉強していてこんな質問が…。

(日本文から英作文する問題で)
「先生、この日本語の英単語がわかりません。教えてください。」

「どの言葉?」

(問題の日本文を読み始める)
「私の趣味は、ギターをはじく(弾く)ことです。」

「はじく???」

正直、その場面で、その言葉をそう読む方が難易度高いと思うのですが…。苦笑

漢字そのものの読む力の問題もさることながら、ギターという楽器名が出た後に、その動作に対して弾く(ひく)ではなく弾く(はじく)という言葉になってしまうということは、ギターという言葉とその楽器の演奏方法の言葉がうまくつながっていないということ。もちおん、こちらが教える前に何度か問題の読み直しをさせていたら自分自身で間違いには気付きましたが、きちんと読めて、きちんと英単語に結び付けて欲しいレベルの内容です。

子どもたちと読書と読み聞かせ

これも何度も話題にしたことありますが、子どもたちの活字離れ、読書の時間の低下は恐ろしいレベルで加速化しています。そんな中で、上記の漢字読み間違えの子は、実は読書は大好きで、お小遣いをもらったら、すぐに本屋に本を買いに走るような子なんです。

その事実と“国語力”や“日本語力”の低さを合わせて考えると、せっかくの読書が「ただ読んでいる」すなわち、活字を読み流しているレベルにとどまってしまっていて、読書を活かすレベルまで到達できていないということ。よりたくさんの本を読むより、少な目、場合によっては1冊の本をしっかり掘り下げながら読む方向へシフトさせ、読書を学びに結び付ける形を作らないといけないと考えます。

活字を嫌がることなく、読書をしている子ですらこんな状態に陥ってしまうのだから、そもそも読書をしない子がどうなるかというのは想像に難くないですよね?

“国語力”を伸ばすためにも、読書をする習慣を身に付けさせること、その読書を活かしてたくさんのものを身に付けられるようにすることが大切。そして、その過程の中で、その2つのことを段階的に捉えるのではなく、最初から並行して行なえるように教えてあげることが大切だと思います。

例えば、その第一歩は保護者の方から子どもたちへの読み聞かせ。ただ、その物語の文字を音に変えて読み流すのではなく、必要な場合には、言葉の注釈を交えたり、そこから話を膨らませて知識が広がるような読み聞かせを行なうことで、子どもたちは自然に読書から知識を身に付けることを学ぶことができると思います。

もちろん、子どもたちが大きくなってから必要に応じて変わってくれることもありますが、やっぱり小さいころからの関わり方が大切ですね。

-代表者ブログ, 授業風景, 読書, 国語力

© 2024 NPO Selfish(セルフィッシュ)