勉強している場面で日常的によく起こる会話。
先生:「この問題できる?」
生徒:「わかる!!」
(しばらく問題と悪戦苦闘するものの結局できず…。)
生徒:「おかしいなぁ…。わかってたんだけど…。」
生徒の言っていることはあながち間違ってるわけではありません。というより、素直で正直な気持ち。でも、現実はなんとなく『わかる』ところまではいっているけど『できる』ところまでは達していない。そんな場面で先生は子どもたちにわかりやすいように「わかったつもり」になってるということを伝えます。
つまり、授業で聞いたり、先生と一緒に勉強したりしている段階で『わかる』と感じた段階では一定の理解はできているものの、『できる』までは勉強を深められていない。だから、いざ自分で解こうと思うと思い出せなかったり、途中の過程で手詰まりになってしまうのです。
わかった(理解した)上で、類題などで自力で解けるように反復して勉強するのはあたり前の方法。もちろん、それでもある一定の力はつき点数には結びつきます。でも、もっと簡単にさらに理解を深める方法があるんです。
さらにその上をいく子どもの力を伸ばすための勉強法は…
子どもを先生にしてあげるのです。具体的にいうと、学びの中に『教える』という過程を入れるのです。
相手に対して『教える』ということができるようになるためには、自分自身が理解しているということが大前提になります。自分がわかっていないことを相手にわかるようにせつめいすることはできませんからね。
誰に対して、どのように『教える』場面設定をするか?
理想的なのは、自分がわかってできるようになっている学習内容を、そこをわかっていない友だちに教えてあげるという形が一番いいです。教える側も教えられる側も必要以上に緊張することがないし、気心知れているからこそ『教える』中でもし失敗したとしてもそんなに気にせずに済むから。
でも、なかなかそんなシチュエーションは作れないと思うので、お父さんやお母さんが生徒役になって子どもを先生にして教えさせてあげてください。
上手に聞いてあげて、うまく説明できてないところにはヒントをあげたりしながら、少しずつ上手に教えることができるようになると、それは完全に理解が深まっている証。この方法なら、台所仕事で忙しくしているお母さんでも、会話形式で一緒に勉強してあげることができるし、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
プリントで類題を10問解くより、1問をきちんと『教える』ことができる力を養った方が、何倍もいい勉強になります。
これには、さらにもうワンランク上があって、『教える』ことができるようになったら、次は類題を作るという先生としての仕事を勉強にするのです。
ほとんどの場合は問題があってそれを解くというのが勉強の主体になりますが、逆に問題を作る過程を勉強に取り込むと、学習内容をさらに深く理解することにつながるし、レベルが上がると出題者の意図を読み解く力までついてくるので、より学習内容に深みが増し、応用力が飛躍的に伸びます。
後半の内容はすぐには難しいことだと思いますが、まずは前半の先生になって『教える』ことを学習場面に取り入れるだけで総合的な子どもの力を伸ばすことができます。
さぁ、お父さんもお母さんも、今日から子ども先生の生徒になってあげてくださいね☆