今年4月には障害者差別解消法が施行され、公立高の入試や授業で障害の特性に即した「合理的配慮」が義務化された。この方の義務化を受けて、初めてとなる平成29年度の高校入試を目前に控え、過去の受験生の配慮への実績を九州を中心に西日本新聞に発表されていた。
その記事によると、発達障がいの可能性がある中学3年生は40人学級に1人程度(3%程度)と推計される中で、全国3500校の公立高校で入試において特別措置を取ったのは、平成24年度93校、平成25年度171校、平成26年度177校、平成27年度126校で、全高校中の3%程度にとどまるそうだ。
義務化された『合理的配慮』も含めて、こういった配慮に関しては基本的に申請をして初めて適用されるため、申請しなければ何も始まらない。でも、あえて申請をしない保護者が多いという。
なぜか?
保護者の間では、誤解や偏見に悩んだ経験を持つ人たちも少なくないため、受験の際に申請をすることで逆に受験が不利になるのでは?という不安から申請を避けている場合がほとんどだと考えられる。実際、Selfishの保護者の方々からも事前に申請すべきかどうかを相談されることも少なくない。
申請はすべきか?すべきではないのか?
個人的な見解であり、Selfishとしては『合理的配慮』は申請して求めるべきだと考える。それにより、仮に受験が不利になるようなことがあるとしたならば…。
その学校は、その子にとって進学するべき学校ではないと判断すればよい。受験の際に「合理的な配慮」がされない、もしくは受験の合否に影響を与えるような学校であるならば、仮に合格して進学しても、在籍する期間中にその子に必要な支援が受けられる可能性が非常に低いと考えざるを得ない。
逆に言えば、きちんと申請をし、受験段階できちんとした『合理的配慮』がなされ、純粋に受験生本人の能力で合否判定してもらえるような学校こそ、安心して子どもを預け、必要な支援が受けられると判断すべきだと思うからだ。
たしかに、受験に不利に働く危険性を考慮すると申請することは怖いことだと思う。
でも、高校受験において大切なことは、目先の合格ではなく、入学後に安心して学校生活が送れることと3年後にきちんと卒業できる環境が整っているかどうかということ重きを置くべきだと考える。
学校は子どもたちにとって、楽しくもあり、安心して過ごせる場所であり、入学した学校が母校になって欲しい。願うことは、ただそれだけである。