「予想を越えた展開」
美しい花を、叩いて落としてしまうほど降った昨夜の雨。
一夜明けたらすっかり晴れて、雨が潤した街は花の香りで満ちていた………。
美しい映画の情景のようなこの一晩の出来事は、ものごとが世の中に広まっていく様子を表しています。
雨は花を散らすつもりで降ったのではなかったのに、「なぜあんなに美しい花を落としてしまったのよ」と、雨を責めた私。そして明朝、雨は川の水となって花の香りを運びます。落ちてなお街中を香りで満たす花……。
人を責めるのはやめよう。起きた事をなげくのもやめよう。次に何が起きるのかわからないし、何のために起きていることなのか予想もつかない。人は、花は、雨は、ただ無心に自分の役割を果たすだけ。あの日の雨が教えてくれました。
『一夜落花雨 満城流水香』=「いちやらっかのあめ まんじょうりゅうすいかんばし」と読むのだそうです。
自分にできることは、子どもたちに喜びを感じてもらい、夢に向かってがんばっていくお手伝いをすることだけ。
それだけを考えて、日々がんばっているのですが…。
最近、教室に勉強に来てくれるようになったSちゃん。
試験前だったこともあり、「少しでも結果につながればがんばる力につながってくれるはず」と思い、いくつかのポイントに絞って試験前に数回授業をしました。
それまでわからなかったことがわかったと喜んでくれ、Sちゃんなりに今まで以上に自信を持って試験に臨んでくれたそうです。
結果は…。
本人が思っていたような結果にはつながらず、「やっぱり自分はがんばってもダメなんだ…」と再び気持ちが後ろ向きになってしまい、楽しんで来てくれていたはずの授業も休みがちになってしまっています。
必要以上に期待を持たせるように指導したわけではなく、これまで自分がやってきたいつも通りの感じで指導したつもりだったんですが、結果的に裏目になってしまいました。
「少しでも自信につながるように…」と思ってしたことが、逆に自信とやる気を奪ってしまうことになってしまうとは…。
自分の中では本当に想定外というか、予想すらできなかったこの展開に少し戸惑っているというのが正直なところです。
でも、起きてしまったことを悔やんでも始まらないので、この後どれだけしっかりケアをしていけるかということを考えて、Sちゃんのサポートをしていきたいと思います。
自分にできること、自分のやらなければいけないことを精一杯…。
ただ自分の役割を果たすだけ……。