もちろん、「家族で〇〇へ。」というご家庭は多いかと思いますが、中学生や高校生に是非トライしてみて欲しいのが“一人旅”。
不安もたくさん(本人もご家族も…)あるとは思いますが、チャンスがあれば是非挑戦してみることで、きっと自分の中の世界が広がり、一回りも二回りも大きく成長できると思います。
そんな夏休みの“一人旅”に関する、僕自身の思い出をちょっとご紹介してみたいと思います。
初めての“一人旅”は中学3年生の夏休みのことでした。
そもそも、その旅に出ることになったきっかけは…。
中学校に入って始めた陸上競技。
中学3年生で中国大会の候補(種目別で県大会の上位3人)までは選ばれたものの、結局、最終選考の大会で4位になり、選考からは漏れ、中国大会にすら出場することはできませんでした。
そんな人間にとって全国大会はすっごい憧れの舞台。
その年の中学の全国大会が夏休みに和歌山県で開催されることになっていたのですが、その直前になってどうしても生でその大会が見たいから行かせて欲しいと両親に直談判。
最初は渋っていた両親も、最後には折れ、行かせてもらえることになりました。
急な話だったので、大急ぎで学校へ行って学割を発行してもらい、宿泊先を決めもせずに倉敷駅で会場の紀三井寺競技場の最寄り駅までの切符だけを買って一路和歌山に向かいました。
習い事の大会の関係で小学生の頃から年に数回大阪は訪れていた(もちろん引率の先生と一緒ですが…)ので、新大阪までは慣れたもの。
ただ、そこから先はまったくの未知なる冒険でした。
とは言え、目的地までの決まった電車に乗りさえすれば、時間通りに目的地まで電車が運んでくれます。
だから乗り換えが済んで電車が発車したと同時にかなり安心モードに入っていました。
が…。
世の中そんなに甘くはなく、人生初の"一人旅"の前に大きな試練が待ち受けていました。
な、な、なんと、順調に進んでいた電車の進む先で事故があって通行不能になり、再開の目途が立たないため全員次の駅で下車してくださいとの車内アナウンス。
「ウソ!?!?」
って耳を疑いました。
だって、もう少しで競技場近くの駅までちゃんと到着できる予定だった旅が、思いもよらないアクシデントでまったく知らない町(もちろん目的地ですらまったく知らない町ですが…)で『ぶらり途中下車の旅』になっちゃうことがその瞬間確定したんですからね。(笑)
とりあえず、電車を降り、駅の中の案内書に行きって目的地までの行き方を教えてもらい、交通手段をバスに変えて再び目的地を目指すことに。
実は、この事故によるアクシデントが後々自分を救ってくれることになるとはそのときは思ってもいませんでした。
バス移動により、予定よりは少し遅れたものの、なんとか目的地である紀三井寺競技場に到着。
初めて見る生の全国大会の様子に興奮し、時間が経つのも忘れてずっとスタンドからいろんな競技を観戦して無事に一日目が終了。
さて、ここから本日の宿探しが始まります。
もちろん、まったく無計画だったわけではなく、駅に行って案内所に行けば泊まれるところをおしえてくれるだろうというぐらいの知恵はあったため、余裕をかましていたところはあります。
というわけで、まず向かった先は、本来到着する予定だった競技場の最寄りの紀三井寺駅。
駅を探しながら歩きまわり、駅に辿り着いたとき、自分が本日二度目の試練に直面していることに気付きました。
な、な、なんと、紀三井寺駅は無人駅で、案内所どころか駅員さんすら誰もいない。
そしてまわりはどんどん日が暮れて暗くなっていく…。
正直、一気に不安になってしまいました。
「今日はもしかして野宿???」なんてことも頭を過ぎりました。
そこで僕を救ってくれたのが、予定外の駅で降ろされたというアクシデント。
「そうだ!!あそこの駅は大きくて案内所もあったから、あそこまで戻ればなんとかなる!!」と、行きとは逆のバスに乗って再びその駅を目指しました。
駅につき、案内所に行って宿を探していることを伝えて空いているホテルを紹介してもらい、そのホテルに行ってチェックインを済ませてなんとかその日の宿を確保。
今思えば、一目で中学生とわかるような子ども(当時は校則のため坊主頭)が一人でやってきて「泊まりたいんですけど部屋ありますか?」って感じだったのに、よく変な疑いもかけれずに泊めてもらえたもんだったって思わず笑っちゃいました。
まぁ、とにかくちゃんとホテルのベッドで眠り、翌日再び競技場に行って大会二日目を観戦してから岐路につき、無事に岡山まで戻ったところで人生初の"一人旅"が終わりました。
アクシデントには見舞われたものの、逆にそのアクシデントが無かったら、その日の宿すら見つけられずに途方に暮れていたのかもしれませんが、すべては結果オーライの旅でした。
今となっては、それすらいい思い出だし、「どんな状況でもなんとかなる。」ってことを身を持って体験することができた楽しい大冒険でした☆
ケータイやインターネットなんてものも全然なかったあの時代。
頼ることができるのは、自分の目と耳と口。
そして、自分のまわりにいる親切な人たち。
逆に言えば、それだけあればどこをどう旅することもできちゃうってことですよね?
もちろん、あの当時と比べものにならないぐらい凶悪な事件の多いこのご時世では不安材料はとんでもないぐらい増えているだろうけど、それ以上にいろんな便利ツールもたくさんあるから旅自体はとっても楽になっていることは間違いなし。
あとは一歩踏み出す勇気があれば大丈夫!!
"一人旅"という冒険はきっと忘れられない大きな思い出になるし、今の自分を何倍にも成長させてくれる魔法の時間。
だからこそ、チャンスがあれば是非トライしてもらいたいと思うのです。
さぁ、みんな勇気を持って"一人旅"という名の冒険に出発しよう♪♪ (^o^)/