東日本大震災から3ヶ月が経ったが、その甚大な影響は日本各地に及んでいて、まだまだその出口が見えない。
そんな中で、それぞれが今置かれている環境の中で、最大限の努力をすることが必要不可欠。
人間が、本当に切羽詰ったときに、一体何に頼り、何の力を信じるべきか?
そんなことを少し考えさせられる記事を見た。
それは自動車業界に関する一つのニュース。
東日本大震災で大ダメージを受けている自動車業界。
5月の販売台数は軒並み下がり、発表されている数字だとトヨタで57.8%、ホンダで32.6%減。
そんな中で、三菱だけは7.4%減に止め、5月の段階でほぼ正常化したといっていい状況らしい。
三菱がそんなに早く回復できた理由の一つが部品発注の方法を、常識破りの人海戦術により行なったところにあるらしい。
通常はコンピュータで管理して行なっている発注システムを人の力で行なったのだ。
10人ぐらいの担当者が毎日電話をかけてメーカーの状況を確認しながら、そのタイムリーな情報を元にして会議を行い、その日のうちにメーカーに発注をかける。
そうすることで、今の危機的状況を打破したそうだ。
それを聞いた他のメーカーからのコメントの中に、「人は必ずミスをする。どんな状況でも発注のシステムを使わずに人間が電話で確認というのはうちの規模ではありえない」というものがあった。
常識の枠の中で、人の力を信じていないともとれるコメント。
たしかにメーカーの規模の差はあるので、一概に同じようにすることがいいとか可能かどうかという議論をすることは難しいと思う。
だが、常識という枠にとらわれていては、革新的なアイデアや飛躍的な発展はほとんど望めない。
そしてなにより、本当に危機的状況やここ一番というときに信じるべきは“人の力”じゃないのだろうか?
それをしたメーカーとしなかったメーカーで分かれた明暗。
機械はたしかに便利だし、使えるものはどんどん遣えばいいと思う。
でも、機械も所詮人の作ったもの。
最後の最後にモノを言うのは“人の力”ではないのだろうか?
侮ることなかれ!!“人の力”。
“人の力”を侮るなかれ