福祉の谷間

6月26日付けの山陽新聞に“発達障害と歩む”と題された特集が載っていた。
発達障害を抱えた子どもたちにとって、高校進学が大きなハードルとなっているという内容のもの。
現在の教育現場、福祉の在り方について、再考の必要性があることを警鐘するに値するものであり、関わりのない人たちにとっては知ることもないその現実を、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い、少し紹介させていただきます。(以下の内容は新聞記事より抜粋したものを中心に書かせていただきます。)
教育現場の実態としては、小中学校の支援学級には、発達障害を含む自閉症・情緒障害、知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴の6区分の学級があり、その中でもっとも児童生徒数が多いのが自閉症・情緒障害のクラスである。
それに対して、支援学校では、知的障害、肢体不自由、病弱、視覚障害、聴覚障害だけで、発達障害の場合は知的障害も伴っていないとその対象とならず、入学することができない。
このことがどういうことを意味するかわかりますか?
そもそも発達障害とは…。
『発達障害』
社会性やコミュニケーションに問題があり、興味、関心の狭さから特定のものにこだわる自閉症、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害、読み書き、計算などのうち特定のものの習得が著しく難しい学習障害(LD)、年齢に不釣合いな不注意さ、行動の衝動性、多動性が特徴の注意欠陥多動性障害(ADHD)などの総称。
生まれつきの脳機能の障害が原因とみられ、育て方は関係ない。知的障害を伴わないこともある。
この記事で紹介されていた生徒は、知能検査で知的障害との「境界域」と判定されており、その診断書で主治医は「社会生活における適応が難しく、軽度精神遅滞に準じた対応が必要」と記載していたにもかかわらず、支援学校への応募に対して、「知的障害者である生徒に対する教育を行なう本校への応募資格をみたしていない」という理由で受験できずに門前払いになったそうだ。
発達障害は、2005年に施行された発達障害者支援法で、教育に対する支援もうたわれているが、その実態はまだまだ必要不十分。
発達障害者は完全に福祉の谷間に置き去りにされてしまっている状態だ。
こういった悩みを抱えている子どもたちの進路は一体どうすればいいのでしょうか?
こんな対応を繰り返されれば、そのうち何を信じ、どこへ向かって進んでいけばいいのか分からなくなって当然だ。
そんな現実を少しでも改善していくには、一人でも多くの理解者とともに、少しでも声を大にして訴え続けていくしかない。
でも現実は…。

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