景気の悪さの影響

またまた、教育に関するというか、自分自身にも関係あるニュースが取り沙汰されていた。
これは、子どもを持つ保護者の方が子どもたちの教育を考える上で、絶対避けて通れない問題でもあると思うので、是非読んで、学校現場の実状を知っておいてもらいたい。

記事は3月8日付けの毎日新聞の配信分を、そのまま引用させていただきます。

『公立小中学校の教員のうち、常勤や非常勤講師の「非正規教員」が今年度10万9000人となり、教員全体の15.6%と過去最高になったことが文部科学省の調査で分かった。人件費抑制や少人数指導のため、各自治体が給与水準の低い非常勤講師らを年々増やした結果で、学校現場の6~7人に1人となる計算だ。非正規教員は、期限付きで雇用が不安定な上、研修不足や長期的な視点での指導がしにくいなど、教育の質の低下につながる恐れも指摘されている。

文科省によると、昨年5月1日現在の公立小中学校の教員数は69万9567人。内訳は正規教員58万8794人▽常勤講師5万9150人▽非常勤講師4万9835人▽その他1788人で、常勤と非常勤を合わせた非正規教員は10万8985人。05年度からの5年間で正規教員は約8000人減ったが、逆に非正規教員は05年度の8万4305人から、06年度9万1582人▽07年度9万5662人▽08年度9万9666人▽09年度10万5132人--と年々増加している。

各自治体が非正規教員を増やすのは、財政難による人件費圧縮だけではない。団塊世代教員の大量退職でできた穴をすべて正規で埋めずに、一定数を非正規に切り替えることで、中高年に偏ってきた教員の構成のバランスを取る狙いがある。

さらに、01年度から正規教員1人分の給与で複数の非常勤講師を雇うことができるようになるなど、制度的な変更も後押しした。01年度からは都道府県独自に、06年度からは市町村独自に国の基準(1学級40人)を下回る少人数学級の編成が可能になったことで、自治体が自前で教員数を増やしたことも拍車をかけた。

非正規教員の増加は、習熟度別授業や複数の教員で授業を見るチームティーチングなどの手厚い指導を可能にした半面、教育の質低下を生む不安もはらんでいる。非正規教員も教員免許は持っているが、正規教員のような研修制度はほとんどない。次年度も同じ学校にとどまる保証はなく、学校によっては担任が毎年交代することにもなる。

一方で、正規教員の採用が減った結果、学校現場には塾講師などのアルバイトを掛け持ちしなければ生活できないような貧困層の教員も出てきた。「長期的な視点で指導ができない」「職員会議に参加できず子供たちのことがよく分からない」などの声も上がっている。

文科省は「各自治体の財政状況や、いびつな年齢構成をフラットにすることなどの狙いを考えれば非正規がすべて悪いわけではないが、正規教員の方が望ましい。文科省としては教員の基礎定数を増やして、都道府県が正規の教員を雇用しやすい環境にしていきたいと考えている」と話している。』

また、この記事に関連して、『公立学校の真実』というブログの“非常勤講師の行方”というタイトルの記事にリンクがはられていました。

これは、実際に現場で働く教員側からのいろんな見解が書かれていて、興味深い意見であると同時に保護者の方があまり聞くことのない教員の実態や本音の部分だと思います。

この記事以外にも学校現場の実状を垣間見ることができるたくさんの記事がたくさんのっていて、いろんな情報が得られるブログでした。

興味のある方はこちらからどうぞ。 → 『公立学校の事実』

前述の新聞記事だけじゃなく、ブログの記事も同時に紹介するのは、一つの問題を一方向だけからの一方的な情報からだけで判断するのではなく、他方向からの情報も含めて、一つの問題を総合的に判断して考えて欲しいから。

もちろん今回の問題一つをとっても、この2つの情報だけでなく、もっとたくさんの情報を得て考えることが必要だと思う。

その一つのきっかけになれたら、今回こうやって紹介させていただいたことの意味が生まれてくるし、この記事を書いた方やこのブログを書いた方、そしてそのブログに書き込みをされている方々など、たくさんの人たちの本当に伝えたかった思いもそこにあるのだと思っているから…。

学校教育の実状。
そして、それに対する保護者の方々の理解と協力。

保護者と学校が本当の意味で良き理解者であり、良き協力者となれたとき、子どもたちにとって一番いい環境を生み出すことができると思うし、それ無くして学校教育の現場の本当の意味での再生は成し得ないと思う。

それにしても、長く続いている今の日本の景気の悪さは、一番大切な子どもたちの教育の現場にまでこんな暗い影を落としているのですね。

悲しい現実です…。

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