発達障がいについて少しだけ学んでみませんか?【AD/HD編(4)】

集中できる生活環境づくりと家族の協力

具体的な環境づくりのポイントは、子どもが学習や生活に集中できる環境が整っているかどうかという点です。

生活の中心となる部屋には、テレビやゲーム、おもちゃといった子どもにとって、刺激となったり、興味関心を引くものがたくさんあります。それらがすべてそのままの状態で「勉強しなさい!!」と言ったり、「話をちゃんと聞いてない!!」と怒ってみたりしても、それは環境を整えられていないまわりの責任。

きちんと勉強や人の話を聞くことに集中させたいのであれば、生活環境を見直すことから始める必要があります。

テレビがついているところでいくら話をしたり、勉強をさせたりしても、聞いているフリ、勉強しているフリになって、注意は完全にそちらへ。子どものアンテナは敏感ですからね。

おもちゃ類も同じ。目に付くところにあると、気持ちはどうしてもそちらに向いてしまうので、しっかり視界から遮れるように片付けておく必要があります。

もちろん、勉強部屋などの勉強環境も…。これらはすべて、構造化という形で、支援の基本として捉えられていますが、そういった刺激物をすべて排除し、集中できる環境、気が散らない環境を作ることだけが大切なことだと考え、ずっとその環境を作ることは避けるべきだと考えます。

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たしかに、できないことを少しずつできるようにする最初の段階では絶対必要な要素です。ただ子どもたちが、本来学ぶべき環境である学校だったり、いずれ出ていく社会はいつでもそんな環境が整っているわけではありません。だから、例えば勉強部屋の刺激物は、最初はすべてを取り除く構造化から始め、徐々に少しずつ刺激を増やし、最終的にはいろんな刺激がある環境でも学べる、集中できる力を養うことが大切だと思います。

家族ができる協力は他にもある!!

生活空間の見直しが済んだら、今度は生活時間の見直しです。

朝起きる時間、学校へ向けて出発する時間、お風呂に入る時間、就寝時間など、出来る限り家族みんなで時間を合わせることで、子どもにその時間にはそれをすべきだとしっかり認識させ、習慣化することが必要です。また、お母さんが家事をしている時間はお手伝いの時間とし、一緒にその日に学校であった事などの話をしながら家族の一員であるということをしっかり認識させてあげましょう。

時間、話題、認識を共有することが子どもの成長にプラスの大きな影響を与えてくれるという効果もはずです。

目標設定と効果の確認、思いっきり賞賛を!!

対応の変化、環境の変化、学習内容、親子の関わりなど、やるべきことはたくさんあり、その一つひとつにしっかり目標設定をすること、一定の時間ごとにその目標の効果を確認すること、そしてもちろん、目標達成できていたら思いっきり賞賛することで子どもたちの「次もがんばろう!!」という意欲が生まれます。

その時に大事なことは、一気に大きな変化を望むような目標設定をしないことと、一度にたくさんの課題を用意しないこと。少しずつ、そして一つずつ成長に結び付け、本人がきちんと成長を自覚できるようにすることが遠回りに見えて、実は成長への一番の近道なのです。

子どもたちが自分の成長を感じられ、喜ぶ笑顔を見せてくれたら、それは一緒にがんばっている家族や先生に対して与えてくれる一番のご褒美。それをもらえたら、支援する側のみんなもまたがんばれますよね?

結局、みんなが力を合わせて少しずつ成長できる環境こそが、みんなが一緒に幸せになれる環境ってことです。

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