天使の正体

天使の正体天使の正体―ダウン症の書家・金澤翔子の物語金澤 泰子/かまくら春秋社 ¥2,100

今、昼間少し時間に余裕ができて、いつもよりちょっとのんびりした時間を過ごしてます。
「そんなときこそ読書を!!」ということで、少し前に購入していたこの本を読んでます。
ってか、一気に読んじゃいました♪♪

翔子さんを育てたお母さんからのたくさんのメッセージ。
その一つ一つの言葉に、たくさんの愛とやさしさを感じ、そしてたくさんの勇気がもらえた気がします。
個人的にいろんなことを考えさせられたり、感じさせてもらった本の中味をちょっとだけご紹介させていただきますね。(太字の部分は本の中からそのまま抜粋させていただいています。)

翔子さんのダウン症という染色体異常(通常より染色体が一個多い)によって起こる障害のことをこう書かれていました。
神の御技―染色体を一個多くして、余分な知能を削除して下さったのでしょう。
(中略)
知的障害を持つゆえに、科学や思想、利害などに洗脳されず、惑わされず、幸福な暮らしをしている。
現世を全けき幸せに生きるために。
神様が染色体を一個多くして、余分な知能を削除して、愛という至宝を下さったのでしょう。

本の中にはたくさんの翔子さんの作品も載っていました。
どの作品もすばらしいものばかり。
胸を張って自信持って言うことが出来ます。「あんな素晴らしい作品は一生絶対書けません!!」(笑)
書家であるお母さんも翔子さんの作品についてこう書かれていました。
久遠
―魂の在り棲が違う翔子の書に、私の書はかなわない。

(中略)
過去から未来へ向けて時が流れるのではなく、時が翔子と共に進む、いつも現在の、今だけで充たされる永遠・久遠に生きている。
それゆえに、翔子の書はその時点でいつも充ち足りているので、昨日よりも今日の方が上手になったとは言い切れない。
私のような俗物の書道のやり方とは、魂の在り方が違うのです。
だから、私の書は翔子の書にはかなわない。

そして、翔子さんとの出会いとこれまでの時間、そして今この瞬間に至るまでの長い道のりを通して、この世で起こるすべての出来事について、お母さんはこう書かれていました。

禍福は同じ
―奇跡は遂に起こらず、二十三年前と同じく、翔子は相変わらずダウン症なのに。
二十余年前、私は苦しかった。待ち望んだ出産で授かった子がダウン症であったから。

(中略)
何故あれほど苦しんだのか。発想があまりにも貧しかった。
あの時には、翔子とのこの至福の刻が待ち受けていることを想像できなかった。
いかなる出来事も、その中には闇も光も含んでいる。
最悪の中には、幸せや希望が含まれている、というこの世の仕組みをあの頃に知っていたら、私はもっと喜びを持って翔子を育てられたであろう。
同じダウン症の娘なのに、二十三年前は絶望と思い、今はこの娘といることを至福と思う。
心の在り様が問題なのだ。
禍福はあざなえる縄の如しと言うけれど、現実はもっと凄くて、“禍福は同じ”とさえ思える。

今、何かに行き詰っている人、何かを悩んでいる人、自分の進むべき道が見えない人…。
そんな人たちにこそ読んで欲しいと思える1冊であり、そんな人たちにきっと何かの答えを与えてくれると思います。
もちろん、そうでない人にもきっと何か感じることができるはず…。
是非、手にしてみてください☆

-読書

© 2024 NPO Selfish(セルフィッシュ)