森を見て木を見ず

「ことわざ、間違えて使ってるよ!!」って突っ込まないでください。笑

本来のことわざは、

『木を見て森を見ず』(英文:You cannot see the wood for the trees.)
意味:事物の末梢的部分にこだわりすぎて、本質や全体をとらえられないことのたとえ。(大辞林より抜粋)

です。

社会生活のいろいろな場面で物事を考えたり行動したりするにあたって、本質を捉える上で大切な考え方の一つだと思います。どうしても、目先のことや小さなポイントばかりに視線や気持ちが行ってしまいがちで、なかなか全体を捉えられないことで結果的に大切なことを見落としてしまったり、失敗したりしてしまうことを避けるために必要な指標となることことわざの一つです。

そんなことわざをあえて捩っているのはどういうことかというと…。

子どもたちのことで相談を受けたり、サポートを進めていく中で感じていることを表現するとこの『森を見て木を見ず』という言葉になります。

子どもたち一人ひとりは、それぞれがいっぱいいいところや、特性を持った“個”という特別な存在。だからこそ、一人ひとりをしっかり見て、認め、その子に合った方法で成長の手助けをする。決して、他の子と比べる必要はないし、ましてや他の子ができるできないとか、他の子のレベルより上だから下だからといったことで基準を見出して取り組むべきではない。

“森(その子自身を含めた子どもたちみんな)”を見て“木(その子自身)”を見ずの状態で接していると、本人も保護者の方々もいっぱい迷いが生じて、本当に大切なことを見失ってしまう。実際、そちらにばかり目がいって大切なことを見失ってしまっている保護者の方々をたくさん見てきました。

森は遠くから見ればたくさんの緑色の木が集まった集合体。ひと塊りになっていると全部同じに見えちゃうけど、実はそこにはいろんな種類の木々が存在し、それぞれに個性があり、役割があって、森はその集合体にすぎない。

全部同じ木になる必要はない。同じ大きさに成長する必要もない。一本一本が自分なりに成長し、大地に根を張り、枝葉を広げていけば、いずれ社会に出た時に大きな森を構成する大事な一本の木になれる。

子どもの成長を本当に願うなら、決して『森を見て木を見ず』にならず、意図的に『木を見て森を見ず』(見れないという意味ではなく、いい意味で森を見ない‼︎)になるように☆

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