小学校における英語教育に関する、今日の読売新聞配信の記事。
小学校の英語「4年生ぐらいから」…文科相
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は22日、首相官邸で会合を開き、グローバル化への対応や大学改革などについての最終的な提言案をまとめた。
月内に安倍首相に提出し、来月策定される政府の成長戦略に盛り込まれる。具体的な制度設計は、文部科学相の諮問機関、中央教育審議会に委ねられる。
提言案の柱は、小学校英語の拡充。海外で活躍できる人材を育成するのがねらいで、小学5、6年生で必修化されている週1回の「外国語活動」について、正式な教科にして専任教員を確保することや、実施学年の引き下げ、指導時間の拡大などの検討を求めた。
同日記者会見した下村文科相は、海外の事例も参考にしながら、小学校英語の教科化などに向け学習指導要領改定を検討する考えを表明。小学校の英語教育開始の目安については、「4年生ぐらい」と述べた。実行会議の委員からは「3、4年生から」という意見も出ている。
(読売新聞5月22日配信分より抜粋)
今の国際社会という情勢を考えれば確かにグローバル化は教育の柱としては外せないところでしょう。
しかし、本当にその部分を優先して教育改革を行なうことが正しい教育の方向性なのでしょうか?
子どもたちの教育に直接携わっている立場の人間としては、その答えは「No」だと思います。
それ以前に、子どもたちの根本的な基礎学力の向上、きちんとした国語(日本語)の力、思考における応用力等をしっかり磨き、身に付けさせることの方が必要なことのような気がします。
日本人として日本語がまともに(正しく)話せないのに、仮に英語が話せたとしてどうなの?
日本語の文法すらきちんと理解できていないのに、英語の文法が理解できるの?
そもそも、国民すべてに対してグローバル化に向けた教育って必要なの?
そんな疑問を挙げているとキリがありません…。
たしかに英語の力が無いよりはあった方がいいのはわかります。
実際、よく海外に行くくせに、語学力が低くていつも苦労してますから…。(苦笑)
そして、どうせ英語教育を行なうのなら、少しでも早い方が身に付きやすいと言われていることもよく聞きますが、本当の意味で本人に学ぶ気が無いのに勉強したところで、それはある意味“焼け石に水”だとも思います。
グローバル化の前に、日本人としてきちんと『日本人化』することを目指した教育が、今の子どもたちには必要ではないでしょうか?
日本人の子どもたちの学力低下にきちんと歯止めをかけ、脱・ゆとり教育としての結果をちゃんと出せてからでもいい話ではないかと…。
物事にはなんでも優先順位が必要。
そこのところを間違えないで欲しいものです。