子どもは「褒めて伸ばす」というのが理想であり、特別支援教育の支援方法の中でも褒めることで自己肯定感を高めることを中心に進めるということをよく言われます。逆に“叱る”ことはやる気を失わせたり、委縮させたりすることにつながるので極力避けるようにした方がいいという考え方にもつながります。
そういう考え方が子育てや教育の主流になると“叱る”こと=『悪』という単純な図式が出来上がってしまいますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
たしかに、子どもたちは褒めることで自信につながり、成長につながることが多いのはその通りだと思います。ただ、それも個々の子どもの性格にもよって完全ではないということを忘れてはいけません。
そう!!俗に言う『天狗になる』タイプの子には褒めることがマイナスにつながることも多々あります。そういったタイプの子には、場面によって“叱る”ことが有効になる場合もあるし、その年齢が低い場合には、必要に応じてきちんと“叱る”ことで伝えていくことも重要であると考えます。
では、どんな場合に“叱る”べきなのか?
叱るべき「子どもの行動」10パターン
あるサイトに、上記のタイトルで10パターンの“叱る”べきポイントが書かれていました。
そこでの大切な考え方は、危険につながるようなこと、他人に迷惑をかけるようなことは“叱る”必要があり、その行為を繰り返さないようにきちんと伝えることがポイントであるそうです。
(1)物を投げた時
(2)人をたたいた時
(3)危険な場所に近づいた時
(4)道路に飛び出しそうになった時
(5)危険なものを触ろうとした時
(6)友達に危害を加えた時
(7)飲み込む危険があるものを口に入れた時
(8)迷いやすい場所に1人で行こうとした時
(9)大人の側を何も言わずに離れようとした時
(10)友達の失敗を笑ったり、悪く言ったりした時
これはどちらかと言えば、年齢の低い子どもたちへの関わりの場合が中心になると思います。でも、上記の10パターンの内容をもう少し推し進めて「なぜこういった時にしっかり“叱る”ことでダメなことを伝えるかって考えると、結局、行き着く答えは、それをすることで最後はリスクが自分に戻ってくるってことにつながると思います。
そう考えれば、教育の場面でも最終的に子ども本人が困らないように成長を促すためには、場合によっては“叱る”という手法をとってでも、必要なことはきちんと伝えておいてたり、身に付けておいてあげることが本人のためになると思います。
子どもたちは一人ひとり違うもの。
だから、一つの方法がすべての子に合うわけではないので、しっかりその子を見て、その子に合った形での関わり方を大切にしていきましょう。時には大きな愛情をもってきちんと“叱る”ことも忘れずに!!