授業中、少し前に行なわれた実力テストの成績を持って来た生徒と、成績の教科別の内容に関して話をしました。
本人の最初の弁は、教科間の差(苦手教科と得意教科の差)が大きすぎるから、ダメな方を伸ばさないといけないと思っているとのこと。たしかに、その考え方は妥当であり、勉強の基本はそこにあることは間違いないです。
生徒自身がそう感じられるのは、苦手だったり、成績が良くなかったりした教科で、自分が本当の意味で限界までがんばっていない、やりきっていないってことがよくわかっているということだと思います。そうであれば、まずはそこで自分の限界までがんばることはとても大事なこと。苦手や嫌いな教科から逃げたく気持ちはすごくよくわかるけど、苦手や嫌いな教科だからこそ、成績アップの可能性は高いので、その可能性を早々に諦めるのはもったいないので…。
ただ、苦手はやっぱり苦手。苦手になったにはそれなりの理由があったり、本人の能力や向き不向きといった部分も決して『0』ではなかったりするのもたしかなこと。そうなると、そこには自ずと限界が生じるのもまた事実。なにより、先にも書いたように、苦手なものや嫌いなものに立ち向かうには心の強さも必要で、必然的に限界も低くなる。
そうなると、そこに時間を割いてアップを目指すより、得意教科を伸ばすことに時間を割いて、総合的なアップを目指す方がいいという考えもできる。もちろん、受験等において、苦手教科の点数が下限を下回って結果に影響が出るような状況では、安易にこういう考え方で取り組むわけにはいかないが、総合成績で評価されるのであれば、結果的にトータルで上がることが目標なので、どの教科で点数が上がったかは二の次。だからこそ、あえて得意教科に時間をかけてアップを目指すのも必要な方法。
って、今さら敢えて言うようなことではなく、わかりきったことだよと言いたい方も多くいらっしゃるかと思いますが、実際、現場で子どもたちの対応していると、どうしても苦手教科や嫌いな教科をがんばることばかりに意識がいき、それをしないといけないと思い込んでいる子もたくさん居て、必要に応じて発想の転換や方向性を支持してあげることも必要なことが多々。それはやっぱり、親であったり、先生であったりといった大人の役割だと思うので、勉強の方向性を決める際に必要な一つの要素として頭に置いておいて欲しいなと思って書いてみました。