時代考証

今クールも新しく始まったドラマをいろいろ見ています。
正直、少し期待ハズレでちょっと見ただけで「これはもういいや…」というのが多くて残念に思っています。

そんな中で、ここ数年欠かさず見ているNHKの大河ドラマ。
今年はご存知のとおり『平清盛』ですが、ここまで2話放映されて、まだその2話目の途中なのですが、時代考証についてちょっと“???”状態になっていて、今ひとつ見るに当たって力が入りません。

このドラマに関しては、兵庫県知事の発言により、映像の問題が話題になって取り沙汰されたことも記憶に新しい。

また、ドラマの中で院政体制のことを『王家』という表現を使っていることもいろいろ物議を醸し出している要素の一つ。

これらは時代考証に関わることであり、ドラマを作る側の意図がどこにあるかでその有り様は大きく異なってくるので、製作側と視聴者側すべての意見を統一することは無理というもの。

そんな中で、個人的にすごく引っかかっているのが、平清盛の出生にまつわる件であり、その血縁関係に関する設定。
今回のこのドラマの中での平清盛は、父・平忠盛の実子ではなく、貰い受けた子を嫡男として育て、平家のトップとして一時代を築くというもの。

これすなわち、平家を代表する歴史上の大人物に平家の血が流れていない(平家の血縁者ではない)ことになる。

これまでそんな話を聞いたことがなかった(単に無知なだけですが)だけに、この設定にはかなり驚いたことは間違いない。

でも、史実とは完全に異なるオリジナルの内容をNHKが製作するわけもないと思い、単に自分が知らなかっただけで実際の歴史はこうだったんだと思いながらも、やっぱり気になって調べてみた。

すると、簡単に調べてみて出てくる内容としては、一般的にはやはり平清盛は平忠盛の嫡男で、平家の棟梁であるとなっている。
でもそんな中の一つに、今回NHKが設定している出生、すなわち平清盛は平忠盛の実子ではなく、白河法皇の落胤であるという説があった。

平家物語の中に落胤説が記されていて、信憑性は抜きにして、歴史書の中にそういった説があることは確かなようだ。
もちろん、特に平清盛の母親に関しては他にもいくつか説があり、結局のところどれが真実かはわからないが、そいった諸説の中からNHKは今回の説を設定に持ってきたようだ。

ちなみに、今回のドラマの中での母親は白河法皇に寵愛された白拍子が身篭り、産み落とした子として設定されているが、そういった説にはお目にかかることはなかった。

となると、ある程度きちんとした時代考証を重ねてはいるものの、そこにはかなりオリジナルの要素も盛り込まれているということ!?!?

もちろん、現代にその時代のことを正確に知っている人なんて一人もいるわけないんだから、どれが本当に正しいかを判断することは誰にもできないんですけどね…。(笑)

それでもやっぱり、あまりにオリジナルな設定ではなく、ある程度は一番一般的な史実に基づいて時代考証を行い、ドラマを製作して欲しいと思うのは私だけ???

そうでないと、「少しは歴史の勉強になるから見なさい!!」って子どもたちに薦められないじゃないですか。
なにより、自分自身が毎週続けて見ることのモチベーションが続かないし…↓↓。

続けて見るかなぁ、見ないかなぁ……。

-テレビ

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