高校は義務教育か?

もちろん答えは『否』だ。
日本の教育制度では、義務教育は中学校までの9年間であり、高校以上は義務教育ではない。
にもかかわらず、 『公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律』により、公立高校が事実上の無償化されたことで高校が義務教育的立場になりつつあることは否めない。
そのことで、いろんなところに弊害が出ている。
今日のニュースでは、沖縄県で定員割れをしている学校での不合格者の取り扱いに関して、沖縄県の教育庁が各高校の校長宛に通達を出したことが波紋を呼んでいる。
通達された文書では、定員割れの学校に入試の得点や中学校の内申が合格基準に満たなくても、基準を変更することで入学させるよう促す内容だというからちょっと驚き。
学校教育課長が「強制ではない。合否は学校長の裁量だ」と説明しているが、正直…。
本当に子どもたちの教育のことを考えているのなら、国や各地方自治体でもう少しまともな対応はできないものか?と思えて仕方ない。
別に子どもたちを合格させるということに反対しているわけではない。
子どもたちに教育の機会を与えること、そして“合格”といううれしい結果を与えてあげること自体は大賛成だ。
それはあくまで子どもたち一人ひとりがきちんと能力に合った適正な環境で勉強する機会が与えられることが前提での話。
どこでもいいから高校に入れればいいって話ではない。
せっかく入試という形をとって選別し、合否を決定するのなら、それが学校のレベルを確保するためだけに合格者を選別するのではなく、子どもたち一人ひとりに適正な環境であるかどうかを見極めるための選別を行って欲しい。
もちろん、その責任は高校側だけに課すのではなく、高校に子どもたちを送り込む側の中学校側でも本人の希望を踏まえて上できちんと判断して進路指導を行うことで責任を負うべきだ。
高校は義務教育ではない以上、そこのところで義務教育との線引きをきちんと行わなければならない。
個人的な見解としては、現在行われている公立高校での自己推薦制度も反対だ。
この制度も子どもたちに余計な負担を与えていたり、子どもたちの希望ある未来を壊したりしている現実があるからだ。
決して、学校側が都合よく利用していい制度ではない。
こんな中途半端な入試制度は早い段階で無くすべきだ!!
教育制度を考える側の人間は、もっともっと本気で子どもたちのことを考え、現場の声を聞き、実状を踏まえた上で考えないといけない。
机上の理論によるものや、政治家たちの人気取りのための教育制度なんか必要ない。
そうしないと、いつもその犠牲となるのは他の誰でもない子どもたちなのだから…。

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