脱・ゆとり教育

ゆとり教育と称して学習内容を大幅削減した現在の学習指導要領から、学力低下を危惧して改定された学習指導要領が4月から実施される。
これに伴い、新しく使用される教科書の検定の結果が発表された。
ゆとり教育ということで内容が大幅に削減された再薄時の教科書と比べ、全体で平均ページ数が43%、主要教科である算数と理科では67%、国語で45%も増えている。
現在の教科書と比べても全体で25%、算数では33%、理科で37%もページが増えている。
新しい指導要領では教科書の内容だけではなく、算数と理科の授業時間数がそれぞれ16%増加するそうだ。
この数字を見て、すごく不安になる…。
各教科の内容はこれだけ増大しているが、実際に授業数自体がそんなに増えるわけではない。
授業数が増加する算数や理科ですら、授業数の増加割合は教科書のページ数の増加割合に全然及ばない。
これの意味するところは、単純に授業スピードの増加に尽きる。
そうでなくても、今の現状で授業についていけない子どもたちが多いのに、これ以上スピードを上げて授業されたらどうなってしまうのだろう?
それだけではない。
各教科、特に算数などでは、実生活に即した内容とのかかわりを学びながら記述形式で答えるような問題が増えているとのこと。
基礎・基本がきちんとできていない現状で、スピードアップを余儀なくされる上、応用力を求めるという方向性。
一気に無理をすると、現場も混乱するだろうし、何より子どもたちの混乱は計り知れない…。
脱・ゆとり教育自体は必要なことだと思う。
ただ、やみくもに学習内容を増やせばいいってものではない。
それを学ぶ環境をきちんと整え、子どもたちに必要以上の負担をかけることなく、いい形で学びの場を提供できるようにして欲しい。
“学ぶ”主役はいつでも子どもたちだから…。

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