どう変わる?義務教育の定義

不登校児のフリースクールを容認し、学校以外の場での学びを義務教育とみなすという新しい取り組みに関する法案が提出された。以前から話題になっていたことだが、具体的な内容が提示、法案として提出されたことで、制度化に向けて一気に加速するのだろうか?

これは、超党派の議員連盟によるもので、『保護者が作成した学習計画を市町村教委が審査・認定することを条件に、不登校の小中学生が通うフリースクールや家庭での学習を義務教育として認める』という内容で今国会に提出される見通し。内容には実際に子どもたちを受け入れるフリースクール等での学びに対して財政面の支援も求めることも盛り込まれるようなので、こういった法案が可決されれば、支援する側の現場及び保護者としてはうれしい限りだ。

しかし、義務教育の場を拡大するという解釈は、戦後日本が行なってきた義務教育という制度に大ナタが振るわれることとなり、日本の教育現場の根底をも揺るがす内容だけにすんなりとはいかないだろう。でも、現実問題として60年前と現在とでは比べものにならないくらい子どもたちの実態は多様化しているため、実態に即した現場の整備は必要不可欠なものであると思う。決して『なんでもあり』的な裾野を広げてゆるさだけが表に出てしまうような制度ではなく、必要なところにきちんと必要な手が差し伸べられるような形の法制化を目指して欲しい。

さらに、市町村の教育委員会が審査・認定という形に不安が残る。少し前にあったスマホの夜間利用規制の時のように、国は大まかなガイドラインだけを作ってあとは各自治体に判断を委ねる形では、自治体ごとに解釈や判断基準が違い、支援を受ける側としては不平等感が否めなくなってしまう。県単位でも十分あり得るその差が、市町村レベルでの差となると近隣で明確に差が出過ぎて違う問題が噴出してしまう可能性が高い。

そういった面も十二分に考慮して、主観による判断で自治体は担当者によって大きな差が生まれないような明確なガイドラインを国が示すことで現場の混乱を避けられるようにきちんとした形での法として整備され、一人でも多くの子どもたちに学びの場が与えられるチャンスが訪れることを切に願う。

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