ボトムアップ的なアプローチ

昨日付けの産経新聞の配信ニュースに「大人のADHD」の症状と、それに対して本人や周囲がどう対応すればいいのか?といった内容の記事が出ていました。

記事の内容を読んで見たい方はこちら。→「大人のADHD

この記事の中に以下のような記載がありました。

姜さん(「きょうこころのクリニック」(奈良市)院長で精神科医)は、物忘れを防ぐには、携帯電話のタイマー機能や、インターネット上のメモ機能を活用することを勧めている。また、「ADHDの同僚や部下にどう接したらいいかわからない」という企業側には、まず、疾患と理解するようアドバイス。その上で「仕事の進捗(しんちょく)状況を細かくチェック」「指示は紙に書くなどして“見える化”する」「一度に複数の仕事を与えない」「こまめにほめる」といった対処法をアドバイスしている。

「発達障害の人に対する対処の仕方は、すべての人に応用できる。このやり方で仕事を進めればモチベーションが向上し会社の生産性もあがるはずです。」

これは仕事に関しての内容になっているが、その内容はそのまま子どもたちの学習支援に置き換えて考えても同じことが言える。特に、後半に書かれていることに着目してもらいたい。

学校現場や教育現場での一般的な指導の方法としては、とりあえず一斉に学び、できない・わからないところがあればそこのレベルを掘り下げる形で学んでできるようにしていく、言うなればトップダウン的なアプローチを行なうケースがほとんど。それに対して、特別支援教育の現場では、一人ひとりの出来ることに着目し、それに合った課題をこなしながらできる、「できた」そして「ほめてもらった」という達成感を感じ、成功体験を積み重ねながら成長に結び付けていくボトムアップ的なアプローチを行なう。

間違いを指摘されることが前提のトップダウン的なアプローチと、褒めてもらうことが前提のボトムアップ的なアプローチのどちらが子どもたちのモチベーションを高めたり、達成感につながるかと言えば、その答えは誰にでもわかることだと思う。

そして、それは決して特別支援教育に特化した指導の手法なんかじゃなく、一般的な指導の方法としてももちろん有効であり、学習指導要領に代表される指導方針はその考え方にのっとったものであるわけだが、厳密に言えばきちんと機能しきれていないから結果的にトップダウン的なアプローチとなってしまい、ついていけない子、落ちこぼれていく子を生み出していく要因となっている気がする。

簡単な話、下から地道に積み重ねていったからこそあの巨大なピラミッドは完成したのであって、上から下へ向けて作ろうとしたってできるものではないっていうのと同じことだ。

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何事も、一つひとつ小さなことを積み重ねていくことが大事。特に子どもたちはそうやって“頂”を目指して進んでいくのです。一見遠回りをしているように感じられるボトムアップ的なアプローチですが、結果的に見ればその方が近道なのだと信じて、子どもたちと一緒に一段一段登っていきたいと思います。

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