奇跡の国

スリナム共和国。
お恥ずかしい話、生まれて初めて聞いた国名でした…
いろいろなものが共存している国。
まず驚かされたのが、宗教の共存。
世界各地で宗教を巡って争いごとが起こっている今の世の中で、複数の教徒が争うことなく平和に暮らしているという事実。
日本という国もたくさんの宗教が存在しているが、それは共存しているというよりは単に何でもありの国という感じ。
人々の宗教に対する信心もすごく薄い、というよりどちらかというと無宗教に近い感じを受ける。
信心をすることがいいとか悪いということではなく、それらはすべて個人の範疇の問題であって、それを他人と比較したり、他人に対して強要する必要はないということ。
すべての人々が、そういう気持ちでいれば争い事は起きないんだということ。
スリナム共和国という国を見て、改めてそう感じた。
それともう一つ…。
支配する側の人間と支配される側の人間との共存。
スリナム共和国という国自体が、30年前までオランダの植民地であったという事実。そんな国の中に存在する支配者階級と奴隷階級。
自分たちが他国の人間に支配されているにもかかわらず、さらに弱い存在の人々を虐げる。
支配者階級の人たちが、支配する人たちから自分たちへの反抗心を削ぐために行なう手法が、さらに弱い存在を与えるというやり方。
江戸時代に日本に存在していた『士農工商』という身分制度。さらにその下位層に位置づけられた“えた・ひにん”と呼ばれていた人たちの存在。
どこの国でも変わらないことをしていたんだということ。
ほんと悲しい現実…。
奴隷という事実が存在していたのは、昔の話かもしれない。
でも、いまだに自分たちの祖国に帰ることも出来ず、ジャングルの中で生活している人たち。
でもそんな村の村長が言った言葉。
「今は…恨んでいません。
 私たちは、私たちのアフリカの生活をするまでです。」
こういう人たちが、本当に強い人たちなんだと思う。
あらゆるものとの共存を成立するためには、まずは自分に関わる他のものを理解し、認める気持ちがないと出来ないと思う。
それが出来る人間になりたいなぁ…。

-代表者ブログ, あいのり

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