『ロジカルシンキング』+『経験』=『勇気』

少し前、とあるTwitterのつぶやきを読んで、「なるほど。」と思うと同時に「それだけかな?」と考えた。

面白い話を聞いた。「行動するのに勇気は必要ない。子供の頃に1人で乗れなかった電車が乗れるようになったのは勇気を手に入れたからじゃなくて電車の乗り方を知ったからだ。必要なのはポジティブシンキングではなくロジカルシンキングだ。」なるほどなと思った。

言わんとしていることはよくわかる。物事をポジティブに捉えることって決して簡単なことではない。そもそもの性格も影響してくるだろうし、初めての経験ともなると不安が先に立ってしまうのもあたり前のこと。だから、「ちょっとした勇気」が必要だと考えられるのだろう。

もし、結果が分かっていたとしたら…?

自分が行なおうとしている行動の結果が先にわかっていたとしたら、誰もがそこまで不安を感じることなく、前に進むことができるだろう。そうなると、そこにはすでに挑戦的な要素はなく、特別な勇気は必要ない。

でも、結果は誰にもわからない。

それに少しでも近付けるのが“予測”であり、そのために必要な力が『ロジカルシンキング』。過程を考え(知り)、結果を考察し、それも可能性を考慮しながらいくつかの結果を“予測”しておく。そうすることで、必要以上に不安を感じることなく、かつ、絶対的に勇気を必要とすることなく、新たな分野に向けての一歩を踏み出せるということにつながるというのが、このつぶやきの元となる考え方ではないのかな?と思う。

もう一歩推し進めると…

そう考えると、新たな行動と結果を手に入れるために必要なのは『勇気』や『ポジティブシンキング』ではないと言うことができる。かと言って、それをすべて『ロジカルシンキング』だけで代用できるかと言われるとそうでもない気がする。その『ロジカルシンキング』で予測できる“結果”に加え、それがより可能性の高い“結果”であると確信できる『経験』が加われば、さらに、新たな行動に対してスムーズに移行することができるようになるだろう。

教育の一番の目的は、子どもたちの中にそういった思考の力を作るとともに、たくさんの『経験』を積み上げていくことで、新たな一歩を踏み出す力を育むことなんだと思う。その力が、また新たなる一歩を踏み出す力となり、より多くの思考の種と『経験』を生み出し、いろんなことにチャレンジできるようになる。

その繰り返しで人は成長し、前に進んでいける。

『ロジカルシンキング」と『経験』の積み重ねが『勇気』を育ててくれるのかもしれない。

結局、一番必要で大切なことは、前に進めることを信じて、学び続ける気持ちなんだと思う。

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