“卵が先か?鶏が先か?”子どもに身に付けさせたいことの優先順位【其の弐】

前回からの続きです。

『宿題や提出物を期限を守ってきちんと提出すること』

前者の課題を優先させた場合、自分自身できちんと管理ができない子どもたちなので、ある程度、大人が宿題や提出物の内容を把握・管理し、必要に応じて宿題などの学習面のサポートも行ないながら、期限までにきちんと提出するという課題をクリアしていきます。
それにより、日々の生活や学習環境の中での困り感は軽減され、提出物などの点数は減点されることもないため、成績や内申評価もクリアになります。中学生などで高校受験を考えた場合には内申評価点は合否判定においても重要であったり、推薦入試などを考えた場合には受験基準となる評定平均値に大きな影響を与えることもあります。そう考えると、サポートを行ないながらでも優先しておくことのように思います。

しかし、サポートを受けながらできていることで、本人には困り感が大きく芽生えません。

毎日連絡帳をチェックし、カバンの中を隅々まで見て宿題や提出物の有無を確認し、見当たらない時や不安な時には友だちの家に電話して確認までする。そこから作成を手伝い、提出日の確認からちゃんと最終的に提出したかどうかの確認までを行なう。そのおかげで期限までにきちんと提出はできてますが、本人の力でやっていることはと考えたら…。

『宿題や提出物をきちんと自己管理できること』

という後者の課題を優先させた場合、できるようになるまでの過程においては本人主導で行なうため、そこにサポートの手が加わらなければ、結果的に未提出になる、評価が得られないというリスクが生じます。
そのため、本人は未提出だったり、宿題が未完だったりという関係で、学校で怒られる、残ってやらされる、再提出を求められると言った、子ども本人が責任を負わなければいけない。すなわち、本人自身が困り感を感じる場面ができます。そこが、成長に向けたきっかけに成り得ると考えられます。

しかし、この場合、前者では問題にならなかった成績に直結する評価が下がるため、入試等で不利になる可能性が…。

でも、この困り感を感じる過程であったり、自分自身でやったという達成感であったり、それができたことで褒めてもらえたことでの自己肯定感であったりといった一つひとつの要素が本人ができるようになる要素につながると考えられます。

ただ、そこに達するまでの間に取りこぼしていく評価をどうするか?が大きな課題になりますが、そこがきちんと身に付いてないと、高校生活や大学生活でなかなか周囲のサポートが受けにくい環境になったときにきちんとできるようになっているかどうかは学業のみならず、生活全般に大きな影響を与えますし、社会人になったときの能力差は歴然となってしまいます。

理想的なのはもちろん両方同時ですが…

結局、前回も述べたように、「だったら両方同時に身に付けられるようにすればいい。」と考えますが、それが難しいからこそ、優先順位を考えながら取り組んでいかないといけません。

そこの判断は本人ではできにくいことなので、保護者や周囲のサポートをしている人間が本人の特性等も考え、より将来につながりやすい道となるように考える必要があります。

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“卵が先か?鶏が先か?”と同じ、究極の問題です。

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