『見てる、知ってる、考えてる』中島芭旺くんの言葉

この本。ご存知の方も多いと思います。

この本の存在を知り、「とにかく読んでみたい!!」と思ってソッコーで入手。そして、その日に一気に読み上げてしまいました。

筆者の中島芭旺(ばお)くん。現在は11歳の小学5年生。そんな少年が書いたこの1冊の本はいろんなところで賛否両論、たくさんの大人を巻き込んで、教育というカテゴリーに一石を投じています。

感想としては「これ、本当に10歳の子が書いた文章なの?」と言いたくなるような深い言葉の数々。決して、10歳の子が使うにしては難しすぎる言葉を使っているということではなく、使っている言葉自体は10歳の子のそれなんですが、なにより、その視点や感性がスゴイ!!

お気に入りの芭旺くんの言葉

この本の中でいろいろ表現されている中で、個人的に一番いいと思ったのは、自らの意志で“不登校”という選択をした芭旺くんが、自分のその状態のことを“自宅学習”と呼んでいるところ。

どうしてもネガティブなイメージで捉えられがちな“不登校”をポジティブなイメージの言葉に置き換えて自分の今居る場所を明確にしている。学校に行ったからといって全員が全員、きちんと学んでいるわけではない。もちろん、それは教科としての学習という狭義の学びという考え方でのことであり、学校で学習することはもっと広義で捉えるべきだという考え方からすれば学んでいることはたくさんあるだろう。結局、言葉は所詮言葉でしかなく、捉え方、使い方等、一人ひとり違って当然なのだ。

だから、彼のように学ぶべき場所を自宅であり、社会へと求めた結果、学習はしているけどそれをしている場所が学校ではないというだけだという考え方も一理ある。こういう言い方をするとまるで“不登校”を肯定しているかのように聞こえるかもしれないが、決してそういうわけではなく、学ぶべきフィールドは多様であり、その学び方も多様であるから、そこに正解も不正解もなく、その人にとってはそれが正解でいいのではないかということだ。

是非読んでみてください!!

先に述べた私見も決してここで述べようと思っていたことではありません。ただ、読んだ中で一番いいなと思った言葉のことを書いていたら、ついそのままツラツラと書いてしまいました。結局、この本に誘発されたような感じ…。

良いとか悪いとかいう話じゃなく、この本を手にしてその言葉に触れてみることで、自分自身で何かを考えたるきっかけになったり、自分のまわりにいる子どもたちを少しでも理解するヒントになったり…と、何か自分の心に反応するものがあるんじゃないかと思います。

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