それぞれの子どもたちにとっての9月1日。そして、それぞれの未来。

夕方、授業に来た小学5年生のKちゃん。

「今日、久々の学校どうだった?楽しかった?」と聞くとちょっと表情が曇り、「う~ん、あんまり…。だって、せっかくのお誕生日なのに……。」と淋しそうな返事。

今日、9月1日はKちゃんの11歳のお誕生日。

にもかかわらず、

夏休みが終わって今日から学校が始まる。

初日から給食ありで5時間授業。

夕方はさらに塾に来てお勉強。

そりゃあ、せっかくのお誕生日にお世辞にも「楽しそう☆」とは言えないスケジュールで、気持ちが盛り上がらないのもよくわかります。

おまけに、学校で先生が「9月1日は18歳以下の子どもたちの自殺が一年で一番多い日」という話もあったみたいで、11歳の子にとってその事実を知ることはショックだったに違いありません。

少しでも気持ちを盛り上げようと思い、

「今日はお家に帰ったらお誕生日パーティー?」

と聞いたら、

「もうパーティーしてもらった。今日はお兄ちゃんも塾で遅いから…。」

との返事。

完全に質問の選択ミス…。(・・;)

盛り上がるどころか、さらに盛り下げてしまいました。Kちゃん、ごめんね。

でも、Kちゃんはしっかりお勉強をがんばってくれました☆

40年間の統計データによると…

先にも出てきたように、内閣府の調査によると、18歳以下の子どもたちの日別自殺者数の調査でダントツに多いのが『9月1日』だという統計データ。

20160901001
(※厚生労働省独自集計の統計データより)

いろんな問題や悩みを抱えている子どもたちにとって、夏休みが明け、新たに学校生活が再開する9月1日という日が大きな意味を持っているということ。だからと言って、一番選んではいけない答えを選んでしまっている子どもたちがこんなに多いことに驚きを隠せない。

ただこれは、あくまで40年間の統計データによるものであり、時代の変遷の中で学校を取り巻く環境も様変わりしているので、一概に9月1日のこととして捉えることのできない問題であると同時に、子どもたちが抱える闇の部分に大人たちが安易に警鐘を鳴らしたり、問いかけたからといって簡単に解決できる問題ではない。日頃からのケアはもちろん、本当の意味での子どもたちの安心できる居場所づくりが大きな課題として真剣に取り組み、こんな悲しいことが起こらないようにしていかなければならない。

『逃げるが勝ち』も一つの道

簡単に解決できる問題ではないと言いながら、あえて子どもたちに伝えるとするならば、学校を中心としたコミュニティ、そして人間関係は決して絶対的なものではないから、そこにどうにかして踏みとどまろうとする苦しい選択をする前に“逃げる”という選択肢の優先順位をもっと上げて考えて、選択をして欲しい。

『逃げるが勝ち』という言葉もあるように、逃げることで新たな道を模索したり、別の道を選択しても何も問題はない。それもひとつの道なのだ。

もし学校に行けないのなら行かなくていい。行かないという選択を行なった上で、自分の人生においての別の選択肢を模索し、見つけた道に邁進すればいい。人生の選択においては、どんな道を選択したとしても間違いという答えはなく、すべての選択は正解なのだから…。

そのことを9月1日の今日、声を大にして子どもたちに伝えたい。

それぞれの子どもたちにとって、いろんな9月1日があるように、それぞれの子どもにはいろんな可能性があり、みんな未来へと続く道の上を歩いている。

そのことを忘れないでいて欲しい…。

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