出題の意図

小学校で6年間、中学校で3年間の義務教育と呼ばれる9年間の勉強。
その先は人それぞれだが、今はたいてい高校で3年間勉強し、さらに大学や短大、専門学校等で勉強をする。
その中で学ぶ知識や情報は膨大な量だし、多岐に渡る。
そして、その学んだ先には普通『テスト(試験)』という名の大きな関門が待っている。
学ぶ者にとって、これが何より嫌なこと。のはず…。(^_^;)
よく子供たちに聞かれます。
「この勉強って社会に出て役に立つの?」「この知識、大人になって使うことある?」って。
そんなときは正直に答えます。
「そんなに役に立たないし、あまり使うことはないなぁ…」って。
すると子供たちは決まってこう言います。
「じゃあ、何で勉強するの?何でテストなんかするの?」って。
たしかに子供たちのこの意見は正論です。
自分も子供時代、ずっとそう思ってました。
将来、役に立たないような知識、使うようなことのない解き方をどうして学び、身に付けろと大人は言うのでしょう?
その知識を覚えたことに、その解き方を使えるようになったことにどんな意味があるのでしょう?
『テスト(試験)』というものを、目の前に出された問題としてだけ捉え、その問題を解こうとする。
その問題解くために必要なのは知識であったり、情報であったり、単なるスキルであったり…。
知識も、情報も、スキルも教科書や参考書を見れば載っているし、問題も解けるようになるだろうし、反復すればスキルも身に付く。
たしかにそれらはとっても大切なもの。
その合計点数で人は評価されることが多い。
でも、本当に必要な力はそうじゃない気がする。
『テスト(試験)』に出題された問題そのものを考えるんじゃなく、出題者が数ある問題の中からその問題を選択した“出題の意図”を考える。
「一体何が聞きたいのだろう?」
「一体何を答えさせたいのだろう?」
「一体何に気付かせたいのだろう?」
その“出題の意図”を考えていけば、自ずと問題へのアプローチの方法が分かり、解法が見つかり、正しい答えに辿り着けるはず。
時として、その正しい答えがたった一つではなく複数あることもあるが、そんな中で自分が考えて見つけた答えに辿り着けることができるはず。
それを考える力が身に付けば、物事に対していろいろな角度から見ることができるようになり、柔軟な考え方を持って物事に対処できるようになる。
本当に必要な力、求められている力はそんな力なんじゃないだろうか?
子供たちにはとっても難しいことだと思うし、なかなか身に付くものじゃないと思う。
それ以前に、今ここで言わんとしていることの意味を分かってもらうことの方が難しいと思う。
でも、子供たちに身に付けて欲しいを思うし、そのためにこれからも伝え続けていきたいと思う。

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