発達障がいについて少しだけ学んでみませんか?【アスペルガー症候群編(3)】

アスペルガー症候群の子はの居場所をしっかり作ってあげるには、周囲の理解が不可欠です。一番大切なことは、「がんばればできる」と考え、無理をさせないようにすることです。どんな人間にも得手不得手があるように、がんばってもできないことや苦手なことがあることをちゃんと理解して、きちんとありのままを受け入れてあげることが成長への一番の近道です。

周囲の対応が重要な役割を持つ

【避けたい周囲の対応】
●欠点を直させる…欠点と思われることの中には、特性もある。直そうとしても完全にはなくならない。
●障害を隠す…隠していると、本人も周囲も特性を理解できず、問題点への対処が遅れる。
●しつけのせいにする…発達障害はだれの責任でもない。原因や責任の所在を探ることには意味がない。
●性格をとがめる…話を聞かない、グループ行動ができないなどの問題を性格のせいにすると、子どもが傷つく。
●特別扱いする…サポートは必要だが、過剰な特別扱いはよくない。必要最低限に。

『無理解・非難』…発達障害への理解を欠く対応や、特性への非難は、子どもに不可能を要求することになり、やがては彼らのゆき場を奪うことにつながっていきます。子どもにとって必要なのは、矯正しようとする大人ではなく、受け入れてくれる大人です。理解されないつらさが、社会への不信感になり“二次障害”にむすびつくことがあります。

【理想的な周囲の対応】
●できたことをほめる…欠点や問題があっても、そのなかによい点があったら、それをほめる。喜びを共有する。
●共通理解をもつ…保護者も教師も、共通の理解と意識をもって子どもと接する。一貫した対応が安心感をうむ。
●全員で協力する…ひとりがリーダーとなって子どもと対するのではなく、みんながそれぞれの役割をになう。
●環境をととのえる…落ち着かない部屋、騒音、危険な道具など、暮らしにくさに通じる要素を生活からなくす
●仲間をつくる…子どもが孤立しないよう、仲間と出会う機会をもうける。無理をせず、本人の希望にあわせた交流を。

『理解・協力』…得意なことと不得意なこと、その両方が受け入れられれば、子どもの悩みは軽減します。不得意なことには協力を、得意なことには評価をしましょう。ありのままを受け入れ、サポートすれば、あとは自分で成長していきます。受け入れられることが自信と安心につながり、成長の一歩となり“豊かな発達”にむすびつきます。

本人を中心とした理解のある仲間づくりを

子どもたちの周囲で関わっている人たちはたくさんいますし、いろいろな立場の人がいます。家族、友だち、学校の先生、塾の先生、近所の人たちなどなど。

すべての人が共通理解の下で同じように関わることは難しいことかもしれませんが、できるだけそれに近い環境を作るために最大限の努力をする必要があります。そのために、本人への告知も含め、兄弟や友だち、周囲の人たちにも特性のことなど必要なことをきちんと伝え、協力を得ることも大切です。

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その環境と整えることができるのはお父さん、お母さんの役割。本人の力では周囲との関係を築くことが難しいので、お父さんやお母さんが橋渡し役となってしっかり本人と周囲を結び付けてあげてください。

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